「板金塗装って、結局何するの?」とよく聞かれます。
正直、40年以上この仕事をやっていても、一言で説明するのは難しい。でも、あえて言うなら「車を元の姿に戻す仕事」です。
ただキズを消すだけじゃない。ぶつかって歪んだ骨格を直し、色を合わせ、新車のときと同じ輝きを取り戻す。そこには、教科書には載っていない職人の「勘」と「経験」が詰まっています。
このページでは、九州運輸局認証工場として40年以上の実績を持つ当社が、専門用語をできるだけ使わずに板金塗装の世界をご紹介します。
福岡での実績(2024年度)
板金塗装とは?
自動車のボディに発生した凹凸やキズ、破損箇所などを、塗装作業まで含めて元どおりに修復すること。これが板金塗装です。
「板金」と「塗装」は別の作業ですが、セットで行うことがほとんど。だから「板金塗装」とまとめて呼ばれています。
MAZDA FD3S 板金塗装のビフォーアフター
「板金塗装」という言葉は知っていても、実際に何をしているか知らない方がほとんどです。それもそのはず、普段は見えない部分の仕事ですから。でも、だからこそ手を抜けない。見えないところこそ、職人の腕が試されるんです。国の認証を受けた工場として、その責任は常に感じています。
「板金」とは?形を整える作業
板金は、大きく分けて3つの作業があります。
1. 外板板金
外から見えるパネル(ドア、フェンダー、ボンネットなど)の凹みを直す作業です。ハンマーで叩いたり、専用の機械で引っ張り出したりして、元の形に戻します。
これが意外と難しい。鉄板って、叩くと伸びるんです。だから、ただ叩けばいいってものじゃない。どこを、どの順番で、どのくらいの力で叩くか。それを間違えると、凹みは直っても別の場所が膨らんでしまう。「鉄板と会話する」なんて言いますが、本当にそんな感覚です。
2. フレーム修正(内板骨格修正)
車の「骨格」にあたる部分を直す作業です。大きな事故で車体が歪んでしまった場合、この作業が必要になります。専用の機械(フレーム修正機)を使って、ミリ単位で調整していきます。
フレーム修正は、車の安全性に直結する重要な作業です。当社は福岡市西区今津にある九州運輸局長認証工場(認証番号:1-2887)として、フレーム修正機や専用の測定器を完備。車のデータに基づいて、ミリ単位で正確に復元します。
認証を受けていない工場では、この作業自体ができない場合もあります。「安いから」と選んだ結果、後から問題が出るケースも見てきました。
3. パネル交換
変形が激しくて修復が難しい場合は、パネルごと交換します。新品部品を使うか、中古部品を使うかで費用は大きく変わります。
専用機械でパネルを引っ張り出す作業
20代の頃、調子に乗って先輩の仕事を見様見真似でやったことがあります。結果は散々。凹みを直すつもりが、周りまでボコボコに。先輩に「お前、鉄板の気持ちわかってないだろ」と言われました。当時は「鉄板に気持ちなんかあるか」と思いましたが、今ならわかります。叩き方ひとつで、鉄板の反応は全然違う。あの失敗があったから、今がある。そう思えるようになりました。
「塗装」とは?色と表面を整える作業
板金で形を整えた後、色を塗って仕上げるのが塗装です。単に「ペンキを塗る」わけではありません。何層にも分けて塗り重ね、最後にクリアコートで保護します。
塗装の種類
車の色には、いくつかの種類があります。
| 種類 | 特徴 | 難易度 |
|---|---|---|
| ソリッド | キラキラ感のない単色。白、黒、赤など | 比較的易しい |
| メタリック | アルミ粉が入っていてキラキラする | やや難しい |
| 2コートパール | パール粉でキラキラ+色の深み | 難しい |
| 3コートパール | 3層構造で複雑な輝き | 非常に難しい |
← 横にスクロールできます
調色作業 ― 塗装で最も難しい工程
車の色は、同じカラー番号でも全然違います。信じられます?
例えば「ホワイト」。単純に白い塗料を塗ればいいと思うかもしれませんが、実際には黒や黄色、青なんかが微妙に混ざっている。しかも、作られた工場や年式、日焼け具合によっても変わる。
だから、メーカーの配合データ通りに作っても合わないことがほとんど。最終的には、実際の車を見ながら「もう少し黄色を入れて…」と調整していく。色を追いかける感覚ですね。これは機械にはできない、職人の目と経験がモノを言う部分です。
職人の目で色を合わせる調色作業
当社には厚生労働省認定の一級塗装技能士が在籍しています。一級は実務経験7年以上が必要な国家資格。技術試験もあり、合格率は決して高くありません。
「どこを直したかわからない」と言われる仕上がりは、この技術があってこそ。資格があるから良い仕事ができるわけじゃありませんが、少なくとも「国が認めた技術」があるという安心感はお伝えできます。
一級塗装技能士を取ったのは35歳のとき。実は2回落ちてます。3回目でやっと合格。試験は実技がメインで、限られた時間内に完璧な塗装を仕上げないといけない。手が震えましたね、正直。でも、あの経験があるから、今でも「基本を丁寧に」を忘れずにいられる。資格を取って終わりじゃなく、資格を取ってからが本当のスタートでした。
パールは厄介です。粒の量、向き、光の当たり方…全部で色が変わる。同じ配合で同じように塗っても、「あれ、なんか違う」ということが普通にある。だから毎回、緊張するんですよね。40年やっていても、パールの調色だけは「慣れた」とは言えません。
板金塗装の工程
実際の作業工程を、順番にご説明します。
まず、車体の損傷を詳細に確認します。表面のキズだけでなく、内部構造の損傷も見逃さないことが重要。ここを見落とすと、後で大きな問題になります。認証工場として、見えない部分こそしっかり確認します。
バンパー、ヘッドライト、センサー類など、修理に必要な部品を取り外します。最近の車は電子部品が多いので、手順を間違えるとコンピューターエラーが出ることも。二級整備士の知識が活きる部分です。
ハンマーや専用機械を使って、凹んだ部分を元の形に戻します。骨格まで歪んでいる場合は、フレーム修正機を使ってミリ単位で調整。この作業ができるのは認証工場の強みです。
板金で大まかな形を戻した後、パテを塗って細かい凹凸を埋めます。その後、ペーパーで削って元のボディラインに合わせます。厚すぎると剥がれる、薄すぎると凹凸が残る。この「ちょうどいい」が難しい。
サフェーサー(下地剤)を塗布して、塗装の密着性を高めます。防錆処理もこの段階で行います。ここを省くと、数年後に錆びてくる原因になります。
車の色を調合し、スプレーガンで塗装。何層にも塗り重ね、最後にクリアコートで仕上げます。一級塗装技能士が色を合わせるので、「どこを直したかわからない」仕上がりに。
塗装を乾燥させた後、ポリッシャーで磨いて艶を出します。乾燥時間を省くと剥がれの原因になるので、ここは絶対に手を抜きません。
取り外した部品を元に戻し、チリ(パネル同士の隙間)を調整。最後に洗車しながら全体をチェックして完成です。
パテを塗った後、乾燥させる工程
工程を見ると「そんなに大変?」と思うかもしれません。でも、一つひとつの工程に、職人の経験が詰まっているんです。「この工程は飛ばしても大丈夫だろう」が、後から大きな問題になる。40年やってきて、何度も見てきました。だから、うちでは工程を省くことは絶対にしません。
安い工場と何が違うの?
正直に言うと、板金塗装の仕上がりは工場によって大きく違います。
激安を売りにしている工場では、どこかで工程を省いていることが多い。乾燥時間を短縮したり、調色を簡略化したり。それで早く安く仕上がるなら良いように思えますが…
・半年で塗装が剥がれてきた
・色ムラがある、艶が違う
・パネル同士の隙間(チリ)が合っていない
・内部損傷を見逃して、後から異音がする
・安全装置が正常に動かない
「安かったけど、半年で塗装が浮いてきた」という相談、実は結構あります。結局やり直しになって、最初からちゃんとした工場で直すより高くついた…というケースも。
九州運輸局の認証を受けるには、設備・人員・作業環境などの厳しい基準をクリアする必要があります。認証番号は「1-2887」のように公開されていて、誰でも確認できます。
認証を受けていない工場が悪いわけではありませんが、少なくとも「国が認めた基準」を満たしているかどうかは、一つの判断材料になるはずです。
「安さ」だけで選ぶのはおすすめしません。かといって、高ければ良い仕事というわけでもない。大事なのは、どんな工程でどんな材料を使うか、きちんと説明してくれる工場かどうか。うちでは見積もり時に「なぜこの金額なのか」を必ず説明しています。認証工場として、透明性のある対応を心がけています。
福岡での修理事例
トヨタ86|右リアクォーター・内部損傷
2024年9月施工
事故で右リアクォーターがガッツリ凹んでいて、内部フレームまで歪んでいました。ディーラーでは「パネル交換で50万円」と言われたそうです。
マツダ MPV|右側面大破
2024年7月施工
横から車に突っ込まれて、側面が大きく損傷。リアドア、リアクォーター、さらに骨格部分まで歪んでいました。
マツダ MPV 板金塗装のビフォーアフター
BMW 3シリーズ|リアバンパー・クォーター
2024年10月施工
駐車場で後方をぶつけてしまったとのこと。「輸入車だから高いんじゃ…」と心配されていました。
ホンダ N-BOX|側面衝突・安全装置復旧
2024年11月施工
交差点で側面をぶつけられた事故。ドアとピラーが損傷し、衝突被害軽減ブレーキのセンサーにも影響が出ていました。
福岡のお客様の声
※Google口コミより抜粋(一部編集)
当社が選ばれる理由
認証番号1-2887。国の基準を満たした設備と技術で、フレーム修正から安全装置の校正まで対応。
国家資格を持つ職人が調色。「どこを直したかわからない」仕上がりに。
輸入車ディーラーからの依頼も多数。年間600台以上の修理実績。
見積もり時に「なぜこの金額なのか」を説明。追加費用は事前に確認。
よくある質問
うちでは両方の見積もりを出して、メリット・デメリットを説明した上でお客様に選んでいただいています。「交換」と言われた損傷でも、板金で直せることは多いですよ。認証工場として設備が整っているので、選択肢を広げられるのが強みです。
一級塗装技能士が調色に時間をかけているので、「どこを直したかわからない」と言われることがほとんどです。ただ、激安工場だと工程を省くことがあるので、色ムラが出ることも…。
「もっと早くできない?」と言われることもありますが、きちんとした仕上がりには時間が必要。乾燥時間を省くと、後で剥がれる原因になりますから。認証工場として、品質は妥協しません。
うちのような板金塗装専門店は「修理」ができる。交換しなくても直せる損傷なら、板金で直した方が安く済むことが多いです。仕上がりの品質は、ディーラーと変わりません。むしろ、塗装は専門店の方が上手いことも多いですよ(笑)
もともと福岡市内の輸入車ディーラーからの仕事を長年受けていたので、ベンツ、BMW、アウディ…いろいろ触ってきました。輸入車だから高いと思われがちですが、部品代が高いだけで工賃は国産車と変わりませんよ。年間120台以上の輸入車を扱っています。
最近の車は衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシストなど、安全装置がたくさん付いています。修理後はこれらのキャリブレーション(校正)が必要になることも。専用の機材を持っていない工場だと対応できませんが、うちでは対応可能です。「見た目だけキレイ」ではなく、安全に走れる状態にしてお返しします。
「他社と比較したい」「まだ決められない」という方も多いです。それは当然のことだと思っています。無理に契約を迫ることは絶対にしませんので、お気軽にどうぞ。LINEでの画像見積もりなら、最短15分で回答できます。
福岡の板金塗装専門店へご相談ください
車の修理.com板金塗装専門店を、Googleで確認する
多くのお客様から高い評価をいただいています。営業時間、電話番号、所在地はこちらでご確認ください。
福岡県福岡市博多区大博町7−10
0120-111-016
お電話がつながりにくい場合は、しばらく経ってからお掛け直しいただくか、
LINEにてメッセージをお送りください。

