車の修理で、板金塗装とは?作業の流れもわかりやすく説明します。

「板金塗装って、結局何するの?」とよく聞かれます。

正直、40年以上この仕事をやっていても、一言で説明するのは難しい。でも、あえて言うなら「車を元の姿に戻す仕事」です。

ただキズを消すだけじゃない。ぶつかって歪んだ骨格を直し、色を合わせ、新車のときと同じ輝きを取り戻す。そこには、教科書には載っていない職人の「勘」と「経験」が詰まっています。

このページでは、九州運輸局認証工場として40年以上の実績を持つ当社が、専門用語をできるだけ使わずに板金塗装の世界をご紹介します。

九州運輸局長認証工場(1-2887) 一級塗装技能士在籍 二級整備士在籍

福岡での実績(2024年度)

600
年間修理台数
68%
リピート率
120台+
輸入車対応/年
4.8
Google口コミ評価

板金塗装とは?

自動車のボディに発生した凹凸やキズ、破損箇所などを、塗装作業まで含めて元どおりに修復すること。これが板金塗装です。

「板金」と「塗装」は別の作業ですが、セットで行うことがほとんど。だから「板金塗装」とまとめて呼ばれています。

MAZDA FD 板金塗装 ビフォーアフター

MAZDA FD3S 板金塗装のビフォーアフター

職人の本音

「板金塗装」という言葉は知っていても、実際に何をしているか知らない方がほとんどです。それもそのはず、普段は見えない部分の仕事ですから。でも、だからこそ手を抜けない。見えないところこそ、職人の腕が試されるんです。国の認証を受けた工場として、その責任は常に感じています。

「板金」とは?形を整える作業

板金は、大きく分けて3つの作業があります。

1. 外板板金

外から見えるパネル(ドア、フェンダー、ボンネットなど)の凹みを直す作業です。ハンマーで叩いたり、専用の機械で引っ張り出したりして、元の形に戻します。

これが意外と難しい。鉄板って、叩くと伸びるんです。だから、ただ叩けばいいってものじゃない。どこを、どの順番で、どのくらいの力で叩くか。それを間違えると、凹みは直っても別の場所が膨らんでしまう。「鉄板と会話する」なんて言いますが、本当にそんな感覚です。

2. フレーム修正(内板骨格修正)

車の「骨格」にあたる部分を直す作業です。大きな事故で車体が歪んでしまった場合、この作業が必要になります。専用の機械(フレーム修正機)を使って、ミリ単位で調整していきます。

認証工場だからできること

フレーム修正は、車の安全性に直結する重要な作業です。当社は福岡市西区今津にある九州運輸局長認証工場(認証番号:1-2887)として、フレーム修正機や専用の測定器を完備。車のデータに基づいて、ミリ単位で正確に復元します。

認証を受けていない工場では、この作業自体ができない場合もあります。「安いから」と選んだ結果、後から問題が出るケースも見てきました。

3. パネル交換

変形が激しくて修復が難しい場合は、パネルごと交換します。新品部品を使うか、中古部品を使うかで費用は大きく変わります。

板金作業の様子

専用機械でパネルを引っ張り出す作業

職人の本音 ― 若い頃の失敗談

20代の頃、調子に乗って先輩の仕事を見様見真似でやったことがあります。結果は散々。凹みを直すつもりが、周りまでボコボコに。先輩に「お前、鉄板の気持ちわかってないだろ」と言われました。当時は「鉄板に気持ちなんかあるか」と思いましたが、今ならわかります。叩き方ひとつで、鉄板の反応は全然違う。あの失敗があったから、今がある。そう思えるようになりました。

「塗装」とは?色と表面を整える作業

板金で形を整えた後、色を塗って仕上げるのが塗装です。単に「ペンキを塗る」わけではありません。何層にも分けて塗り重ね、最後にクリアコートで保護します。

塗装の種類

車の色には、いくつかの種類があります。

種類 特徴 難易度
ソリッド キラキラ感のない単色。白、黒、赤など 比較的易しい
メタリック アルミ粉が入っていてキラキラする やや難しい
2コートパール パール粉でキラキラ+色の深み 難しい
3コートパール 3層構造で複雑な輝き 非常に難しい

← 横にスクロールできます

調色作業 ― 塗装で最も難しい工程

車の色は、同じカラー番号でも全然違います。信じられます?

例えば「ホワイト」。単純に白い塗料を塗ればいいと思うかもしれませんが、実際には黒や黄色、青なんかが微妙に混ざっている。しかも、作られた工場や年式、日焼け具合によっても変わる。

だから、メーカーの配合データ通りに作っても合わないことがほとんど。最終的には、実際の車を見ながら「もう少し黄色を入れて…」と調整していく。色を追いかける感覚ですね。これは機械にはできない、職人の目と経験がモノを言う部分です。

調色作業

職人の目で色を合わせる調色作業

一級塗装技能士の調色

当社には厚生労働省認定の一級塗装技能士が在籍しています。一級は実務経験7年以上が必要な国家資格。技術試験もあり、合格率は決して高くありません。

「どこを直したかわからない」と言われる仕上がりは、この技術があってこそ。資格があるから良い仕事ができるわけじゃありませんが、少なくとも「国が認めた技術」があるという安心感はお伝えできます。

職人の本音 ― 資格取得の話

一級塗装技能士を取ったのは35歳のとき。実は2回落ちてます。3回目でやっと合格。試験は実技がメインで、限られた時間内に完璧な塗装を仕上げないといけない。手が震えましたね、正直。でも、あの経験があるから、今でも「基本を丁寧に」を忘れずにいられる。資格を取って終わりじゃなく、資格を取ってからが本当のスタートでした。

パールカラーが難しい理由

パールは厄介です。粒の量、向き、光の当たり方…全部で色が変わる。同じ配合で同じように塗っても、「あれ、なんか違う」ということが普通にある。だから毎回、緊張するんですよね。40年やっていても、パールの調色だけは「慣れた」とは言えません。

板金塗装の工程

実際の作業工程を、順番にご説明します。

1 損傷箇所の確認

まず、車体の損傷を詳細に確認します。表面のキズだけでなく、内部構造の損傷も見逃さないことが重要。ここを見落とすと、後で大きな問題になります。認証工場として、見えない部分こそしっかり確認します。

2 分解・部品の取り外し

バンパー、ヘッドライト、センサー類など、修理に必要な部品を取り外します。最近の車は電子部品が多いので、手順を間違えるとコンピューターエラーが出ることも。二級整備士の知識が活きる部分です。

3 板金作業

ハンマーや専用機械を使って、凹んだ部分を元の形に戻します。骨格まで歪んでいる場合は、フレーム修正機を使ってミリ単位で調整。この作業ができるのは認証工場の強みです。

4 パテ付け・成形

板金で大まかな形を戻した後、パテを塗って細かい凹凸を埋めます。その後、ペーパーで削って元のボディラインに合わせます。厚すぎると剥がれる、薄すぎると凹凸が残る。この「ちょうどいい」が難しい。

5 下地処理

サフェーサー(下地剤)を塗布して、塗装の密着性を高めます。防錆処理もこの段階で行います。ここを省くと、数年後に錆びてくる原因になります。

6 調色・塗装

車の色を調合し、スプレーガンで塗装。何層にも塗り重ね、最後にクリアコートで仕上げます。一級塗装技能士が色を合わせるので、「どこを直したかわからない」仕上がりに。

7 乾燥・磨き

塗装を乾燥させた後、ポリッシャーで磨いて艶を出します。乾燥時間を省くと剥がれの原因になるので、ここは絶対に手を抜きません。

8 組み付け・最終確認

取り外した部品を元に戻し、チリ(パネル同士の隙間)を調整。最後に洗車しながら全体をチェックして完成です。

パテ乾燥

パテを塗った後、乾燥させる工程

職人の本音

工程を見ると「そんなに大変?」と思うかもしれません。でも、一つひとつの工程に、職人の経験が詰まっているんです。「この工程は飛ばしても大丈夫だろう」が、後から大きな問題になる。40年やってきて、何度も見てきました。だから、うちでは工程を省くことは絶対にしません。

安い工場と何が違うの?

正直に言うと、板金塗装の仕上がりは工場によって大きく違います。

激安を売りにしている工場では、どこかで工程を省いていることが多い。乾燥時間を短縮したり、調色を簡略化したり。それで早く安く仕上がるなら良いように思えますが…

よくあるトラブル

・半年で塗装が剥がれてきた

・色ムラがある、艶が違う

・パネル同士の隙間(チリ)が合っていない

・内部損傷を見逃して、後から異音がする

・安全装置が正常に動かない

「安かったけど、半年で塗装が浮いてきた」という相談、実は結構あります。結局やり直しになって、最初からちゃんとした工場で直すより高くついた…というケースも。

認証工場を選ぶ意味

九州運輸局の認証を受けるには、設備・人員・作業環境などの厳しい基準をクリアする必要があります。認証番号は「1-2887」のように公開されていて、誰でも確認できます。

認証を受けていない工場が悪いわけではありませんが、少なくとも「国が認めた基準」を満たしているかどうかは、一つの判断材料になるはずです。

職人の本音

「安さ」だけで選ぶのはおすすめしません。かといって、高ければ良い仕事というわけでもない。大事なのは、どんな工程でどんな材料を使うか、きちんと説明してくれる工場かどうか。うちでは見積もり時に「なぜこの金額なのか」を必ず説明しています。認証工場として、透明性のある対応を心がけています。

福岡での修理事例

トヨタ86|右リアクォーター・内部損傷

2024年9月施工

50%以上コストダウン

事故で右リアクォーターがガッツリ凹んでいて、内部フレームまで歪んでいました。ディーラーでは「パネル交換で50万円」と言われたそうです。

ディーラー見積:50万円 当社:28万円
フレーム修正機で内部の歪みを直し、クォーターパネルを板金修理。調色を何度も調整して純正色にピタッと合わせました。納車のとき「どこをぶつけたかわからない」と喜んでいただけました。認証工場だからできるフレーム修正が活きた事例です。

マツダ MPV|右側面大破

2024年7月施工

廃車回避

横から車に突っ込まれて、側面が大きく損傷。リアドア、リアクォーター、さらに骨格部分まで歪んでいました。

フレーム修正機で骨格を直し、中古部品を活用して修理。「廃車にするしかない」と思っていたオーナーさんが、修理後の車を見て「新車みたい」と。この仕事をやっていてよかったと思える瞬間です。
マツダMPV 板金塗装のビフォーアフター

マツダ MPV 板金塗装のビフォーアフター

BMW 3シリーズ|リアバンパー・クォーター

2024年10月施工

輸入車対応

駐車場で後方をぶつけてしまったとのこと。「輸入車だから高いんじゃ…」と心配されていました。

ディーラー見積:38万円 当社:19万円
バンパーは板金修理、クォーターは磨きで対応。輸入車は部品代が高いので、「修理」で済む部分は修理した方がお得です。もともと輸入車ディーラーからの仕事を長年受けていたので、BMWやベンツは慣れています。

ホンダ N-BOX|側面衝突・安全装置復旧

2024年11月施工

ADAS対応

交差点で側面をぶつけられた事故。ドアとピラーが損傷し、衝突被害軽減ブレーキのセンサーにも影響が出ていました。

板金修理に加えて、ADAS(先進安全装置)のキャリブレーション(校正)も実施。最近の車は安全装置が多いので、修理後の校正が必須です。認証工場として、専用の機材を揃えています。「見た目だけキレイ」ではなく、安全に走れる状態にしてお返しします。

福岡のお客様の声

「ディーラーで45万と言われた修理が、ここでは22万で済みました。しかも仕上がりは完璧。友人にも勧めています」
40代男性・レクサス IS
「初めての事故で不安でしたが、丁寧に説明してもらえて安心しました。また何かあればお願いします」
30代女性・N-BOX
「輸入車だから高いと覚悟してたけど、予想の半額以下。しかも代車もBMWを出してくれて、修理中も快適でした」
50代男性・BMW 5シリーズ
「『どこを直したかわからない』は本当でした。新車みたいにピカピカになって戻ってきて感動しました」
30代女性・プリウス

※Google口コミより抜粋(一部編集)

当社が選ばれる理由

九州運輸局認証工場

認証番号1-2887。国の基準を満たした設備と技術で、フレーム修正から安全装置の校正まで対応。

一級塗装技能士在籍

国家資格を持つ職人が調色。「どこを直したかわからない」仕上がりに。

40年以上の実績

輸入車ディーラーからの依頼も多数。年間600台以上の修理実績。

明朗会計

見積もり時に「なぜこの金額なのか」を説明。追加費用は事前に確認。

よくある質問

板金と交換、どっちがいいの?
一概には言えません。損傷の程度、車の年式、予算によって変わります。

うちでは両方の見積もりを出して、メリット・デメリットを説明した上でお客様に選んでいただいています。「交換」と言われた損傷でも、板金で直せることは多いですよ。認証工場として設備が整っているので、選択肢を広げられるのが強みです。
色ムラは出ませんか?
うちでは出ません。きっぱり言い切れます。

一級塗装技能士が調色に時間をかけているので、「どこを直したかわからない」と言われることがほとんどです。ただ、激安工場だと工程を省くことがあるので、色ムラが出ることも…。
修理期間はどのくらい?
小さなキズなら1〜2日、ドアやフェンダーの板金塗装で1週間前後、骨格修正が必要な大きな損傷で2週間ほどが目安です。

「もっと早くできない?」と言われることもありますが、きちんとした仕上がりには時間が必要。乾燥時間を省くと、後で剥がれる原因になりますから。認証工場として、品質は妥協しません。
ディーラーとの違いは?
ディーラーは「交換」が基本です。部品を丸ごと新品に交換するので、当然費用は高くなる。

うちのような板金塗装専門店は「修理」ができる。交換しなくても直せる損傷なら、板金で直した方が安く済むことが多いです。仕上がりの品質は、ディーラーと変わりません。むしろ、塗装は専門店の方が上手いことも多いですよ(笑)
輸入車でも大丈夫?
問題ありません。むしろ得意分野です。

もともと福岡市内の輸入車ディーラーからの仕事を長年受けていたので、ベンツ、BMW、アウディ…いろいろ触ってきました。輸入車だから高いと思われがちですが、部品代が高いだけで工賃は国産車と変わりませんよ。年間120台以上の輸入車を扱っています。
安全装置(自動ブレーキなど)がある車でも修理できますか?
もちろん可能です。むしろ認証工場として、そこは強みです。

最近の車は衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシストなど、安全装置がたくさん付いています。修理後はこれらのキャリブレーション(校正)が必要になることも。専用の機材を持っていない工場だと対応できませんが、うちでは対応可能です。「見た目だけキレイ」ではなく、安全に走れる状態にしてお返しします。
見積もりだけでも大丈夫?
もちろんです。見積もりは無料、キャンセル料もかかりません。

「他社と比較したい」「まだ決められない」という方も多いです。それは当然のことだと思っています。無理に契約を迫ることは絶対にしませんので、お気軽にどうぞ。LINEでの画像見積もりなら、最短15分で回答できます。
車の修理.com 職人

この記事を書いた人

車の修理.com 板金塗装専門店

一級塗装技能士(厚生労働省認定)/二級整備士/板金塗装歴42年

「車を元の姿に戻す」をモットーに、福岡市西区今津で40年以上、板金塗装一筋。九州運輸局認証工場として、フレーム修正からADAS校正まで対応。福岡市内はもちろん、糸島市・春日市・大野城市など近郊エリアからもご依頼をいただいています。「どこを直したかわからない」と言われる仕上がりを目指しています。

福岡の板金塗装専門店へご相談ください

【保存版】板金塗装の参考価格表|元ディーラー下請け工場が教える「賢く安く直す」正解 自動車保険での修理について 【プロが止める理由】保険修理で「損する人」と「得する人」の決定的な差とは?実録3つの事例 板金塗装での引き出し作業 板金塗装の用語集 板金塗装のパテ研ぎ中 板金塗装専門店のメリットとデメリット|福岡の認証工場が費用・仕上がりを本音で解説

車の修理.com板金塗装専門店を、Googleで確認する

多くのお客様から高い評価をいただいています。営業時間、電話番号、所在地はこちらでご確認ください。

🏢企業名
車の修理.com 板金塗装専門店
📍住所
〒812-0033
福岡県福岡市博多区大博町7−10
📞電話番号
092-262-2868
お客様の評価
🕒営業時間
月〜土:9:00〜18:00
日:定休日
※ LINE受付は24時間対応
📲 今すぐ電話で相談する(無料)
0120-111-016

お電話がつながりにくい場合は、しばらく経ってからお掛け直しいただくか、
LINEにてメッセージをお送りください。